報酬改定勉強会における質問と回答
令和6年度報酬改定勉強会でご講演いただいた服部課長補佐と横浜市から、皆様の質問への回答をいただきました。
※回答できたものを掲載しております。また、一部質問内容を要約して掲載しています。
【服部課長補佐からの回答】
Q1.共同生活援助の重度障害者支援加算について、グループホーム利用日ごとに報酬を請求する場合、支援手順書の内容更新および支援手順書の記録は、同じく利用日ごとに新しく書き残さなければならないのでしょうか。
A1.支援手順書の内容は利用者の状態等に応じ、随時更新されるべきである。なお、記録の頻度について明示的に規定していないが、支援計画シート及び支援手順書を更新する上で必要な情報となる利用者の状態や反応等の観察経過は、適宜記録することが望ましい。
Q2.共同生活援助の人員配置体制加算の算出方法で、労基法34条1項の休憩時間を含めても支障はないとの話ですが、7時間勤務(35時間労働)の1時間休憩の場合、8時間で算出してもよろしいのでしょうか?
A2.「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」における「労働基準法第34条第1項における最低限確保すべきとされている程度の休憩時間」とは、
・1日の労働時間が6時間を超え8時間までの場合に使用者が労働者に与えなければならない少なくとも45分の休憩時間
及び
・1日の労働時間が8時間を超える場合に使用者が労働者に与えなければならない少なくとも1時間の休憩時間
を指すものであることから、御指摘の場合に勤務延べ時間数に参入することができる時間数は7時間45分となります。
(参考)
労働基準法 (昭和二十二年四月七日)(法律第四十九号)
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
Q3.「重度障害者支援加算」について、行動援護従事者養成研修修了者は、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者配置人数に含んでもいいのでしょうか。
A3. 行動援護従事者養成研修修了者は、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者配置人数に含めて差し支えありません。
Q4. 生活介護の定員の考え方について、今回の改定で利用時間が短い利用者は、人員配置を考えるときにそれぞれ0.75、0.5人と計算することになり、いただいた資料の25ページにも、例として「短時間の利用者を午前・午後に分けて受け入れることも可能」と記載いただいています。この場合の定員の考え方は、それぞれを1人としてカウントしなければいけないのか、それとも人員配置と同様に0.5人とカウントするのか教えてください。
A4. 生活介護における前年度の平均利用者数の算出はサービス提供時間を考慮した算出が可能であり、人員配置は前年度の平均利用者数に応じた配置となります。
定員にこの考え方は適用されないため、それぞれ1人としてカウントする。なお、定員は同時に受け入れる最大人数の上限という考え方に変更はありません。
Q5. 1.人員配置体制加算の常勤換算に休憩時間も含めることが出来るとの事ですが、常勤の1日の勤務時間が7.5時間、休憩時間1時間の場合、休憩時間も含めて1週間で42.5時間となるので、1人の勤務時間が、常勤換算1を超えてしまいますが、42.5時間のまま計算してもよろしいのでしょうか。
A5.Q2の回答をご参照ください。
Q6.自立生活支援加算1は、退居後の支援を行うことが前提となっているのか。退居後の支援が前提となっていた場合、退居後、毎週訪問支援する体制が取れなかったり、ご本人が退居後の支援を拒否されたりして、入居中のみ1人暮らしに向けて支援を行った場合は、自立生活支援1の加算対象とはならないのでしょうか。
A6. 自立生活支援加算(Ⅰ)については、当該指定共同生活援助事業所において、個別支援計画を見直したことにより一人暮らし等の移行に向けた専門的な支援を行ったことを評価するものです。退居後の支援を行うことを前提とはしていません。
Q7.日中支援加算2は、日中支援員の加配以外の条件を満たし、支援を行う上で支障がなければ、日中支援員を常勤換算0.1でも加配出来ていれば、加算対象となるのでしょうか。
A7.何時間という規定はありませんが、基準上必要な配置に加えての配置が必要であり、利用者に適切な支援がおこなわれるよう加配される必要があるため、指定権者により当該事業所の実態に応じた判断をして頂くことになります。
Q8.口腔栄養スクリーニング加算の算定について、資料には介護支援専門員に文書で報告とあります。ここは計画相談員と読み取ればよいですか。また計画相談がついていないご利用者の場合、この報告はどのように行えばよいですか。
A8.計画相談員に共有することになります。セルフケアプランの場合、ご家族又は本人に結果を報告してください。(通知等は厚生労働省のホームページにアップされてますのでご参照ください。)
(通知等は以下に掲載してます。)
https://www.mhlw.go.jp/content/001240284.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/001240285.pdf
Q9.重症心身障害者の方が通う多機能型事業所ですが、場所が狭い場合、近隣の場所と合わせてA住所地が生活介護、B住所地が就労Bなどとすることはできますか。
A9.同一敷地内若しくは従たる事業所の要件の一部を満たせば多機能型として指定が可能です。(基準の解釈通知に記載があります。該当部分は、「同一法人による複数の事業所が複数の指定障害福祉サービスを異なる場所で実施する場合は、(1)の①のイ及びウ並びに②の要件を満たしている場合は、一の多機能型事業所として取り扱うことが可能である。」の記載となりますので参照ください。)
Q10.B型で、利用者の就労や生産活動等への参加等を持って一律に評価する報酬体系の具体例を教えて下さい。短時間利用減算の4時間未満は、お昼休みを除いた4時間未満の利用ですか?
A10.就労継続支援B型の「利用者の就労や生産活動等への参加等を持って一律に評価する報酬体系」につきましては、利用者の多様な働く意欲に応えつつ、地域での活躍の場を緩やかに広げる取組を進めるため、地域や地域住民と繋がる取組・活動への参加を支援する事業所や自立に向けた意欲向上、不安解消などへの支援を充実させるため、ピアサポートによる支援を実施する事業所に対して評価する報酬体系となります。
なお、一例ではございますが、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(P28)に記載しております就労継続支援B型の取組事例も合わせてご参照ください。
また、短時間利用減算は昼休みを含むサービス提供時間が4時間未満の利用者が全体の5割以上の場合は適用されるものです。
(参照URL)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000693792.pdf
Q11.加算の適用時期について減額だけ遡り、増額については遡ることが出来ないのはおかしいと感じています。採用が急に決まったり、休職復帰のタイミングが読めずに体制変更届を前月15日までに出すことが難しい場合もある中で、前月15日までに体制変更を提出できなければ翌月適用できないと、少なくとも1ヶ月分は本来取れる増額加算が取れないことになります。更に突き詰めれば、月の途中から加算の取れる体制が整った場合は、日割りで求めることが出来るようにもなって欲しいです。そうしないと支援損になってしまいます。増額にしても減額にしても、遡って適用することが出来るようにするのが本来ではないでしょうか。
A11.介護保険と同様の考え方に基づき、自立支援施行時からの取扱いです。利用者負担(現在はほとんど利用者負担は無料になっていますが。)にも影響することから一定の周知期間などが必要であるという考え方に基づいて現在の取扱いとなっておりますので、ご理解いただきたい。
Q12.現在は短時間しか通所をできていない方で、親の希望としては一日通所を目指しているので支援計画は短時間の内容ではなく一日で作成してください、調子が戻ったら一日通うのでとお願いされているケースでは、午前中で早退してしまっている場合でも一日扱いで申請しても大丈夫ですか?
A12.差し支えない。
なお、生活介護計画に位置付けられた標準的な時間と実際のサービス提供時間が合致しない状況が続く場合は、6か月ごとの個別支援計画の見直しにおいて、標準的な支援時間の見直しを検討すること。
Q13.共同生活援助の「自立生活支援加算」について教えてください。自立生活支援加算(Ⅰ)は、通過型のグループホームでも、条件を満たせば算定可能でしょうか?通過型は、滞在型と違いある程度の期間を過ぎたら、一人暮らし等へ以降する前提なので、加算を請求できるのか知りたいです。もし、通過型は(Ⅲ)の加算しか請求対象ではない場合、サビ管が2人いないと、どんなに支援を行っていても請求は出来ないということでしょうか?
A13.通過型グループホームについては、通過型グループホームを所管する自治体にお問い合わせください。
Q14.コロナ禍から徐々に通所される時間が遅くなっており、現在は12時前後に到着することが、常態化している方がいます。ダウン症の特性による頑固さからなのか、就寝を早めてもらうようGHと協力していても、ご自身で出発時間を決めているようで、ご本人への変化は見られません。ごくまれに旅行などの外出時はご本人はとても楽しみにしているようで、9:50に間に合うように、GH支援者に車で送ってもらい通所することが出来ます。
この場合には、旅行などの場合に9:50から利用することもあるので、標準的な支援時間を個別支援計画書には9:50~15:50で記載してよろしいのでしょうか?
また、12時前後の通所が常態化しているということは、いくらご本人の受け入れが9:50には可能な状況であっても、6時間以上7時間未満での算定は出来ないのでしょうか?
A14.生活介護計画に位置付けられた標準的な時間と実際のサービス提供時間が合致しない状況が続く場合には、生活介護計画の見直しを検討する必要がある。
今回のケースだと、ごく稀にある旅行などの外出時のみ9:50からの利用で、それ以外は12時前後の通所が状態化しているということであれば、少なくとも計画見直しの検討は必要であると考えます。
仮に計画の時間を11:50~15:50の4時間としては、4時間以上5時間未満の基本報酬を算定することになりますが、外出時に9:50~15:50の6時間サービスを利用した場合は、実際に要した時間に応じて報酬を算定して差し支えありません。
Q15.通所当初は9:50~15:50に通えることが多かったのですが、現在は2時間~4時間程度しか事業所にいることが出来ません。通所時間、帰宅時間はバラバラです。また、旅行、夕食を食べに行く余暇(2カ月に1回程度)、家庭の都合での一時ケアの時は15:50まで利用することが出来ています。
ご本人の特性で自分の決めたルールに沿って行う、というところがあります。そのため、通所する時間も、帰る時間もご本人の思い通りにならないと欠席が続いてしまったり、通所したとしても、本人の意思で通所していないので、何も活動に参加しないということを選んでしまいます。現在はご自宅から通っていますが、ご本人のペースを大事にして過ごし、少しずつでも長くいられるようにご家庭や相談員と連携し、事業所内をご本人が過ごしやすいように工夫する、ということをしています。事業所にいる時間は6時間もないことが常態化していますが、過ごしている日もあるので、9:50~15:50の標準的な支援時間を記載しています。6時間以上7時間未満での算定は可能になりますでしょうか?
A15.利用者や家族が6時間の利用を望んでおり、6時間の利用に向けて事業所も支援や連絡調整等を行っている場合は、目標の時間(6時間)を標準的な時間として計画に位置付けて報酬を算定して差し支えない。
なお、生活介護計画に位置付けられた標準的な時間と実際のサービス提供時間が合致しない状況が続く場合には、生活介護計画の見直しを検討する必要があります。
また、実際のサービス提供時間が3時間とした場合であっても、障害特性等に起因するやむを得ない理由により、利用時間が短時間にならざるを得ない利用者に該当する場合は、1日2時間を限度として計画に位置付ける標準的な時間として加えることもできます。
Q16.グループホームの利用者が高齢化に伴う変化によって、胃瘻になったり、歩行が出来た方が車椅子になったりします。病院退院後、療養型の病院と言われ、重心ではないので、ご本人が安心して暮らせる居場所の選択肢がほとんどありません。グループホームで対応するには、医療を含めたバックアップ体制が不可欠です。国としてはどこまでを見越して施策の方向を考えているのでしょうか?
A16. グループホームでは、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、医療的ケアが必要な者に係る加算を創設するとともに、医療機関等と連携の上、グループホームや短期入所等における医療的ケアを必要とする利用者の受入促進を図るため、医療連携体制加算の充実を行ったところです。
また、医療的ケアを必要とする方が希望に応じた生活を送ることが出来るよう、令和6年度報酬改定検証調査の結果やグループホームのサービスの質を評価するガイドラインの策定の観点も踏まえ、地域における支援体制の整備を引き続き推進して参ります。
【横浜市からの回答】
Q17.人員配置体制加算について。厚労省R6.2.6資料によると、医ケア・障害特性等・・・配慮として、従業者の配置員数算定に利用者数に0.75人や0.5人として計算とあるが、横浜市の体制届のフォーマットにはこの部分をどう反映させたらよいのか分かりませんでした。
A17.サービス提供時間が5時間以上7時間未満の利用者は、前年度の平均利用者数の算出の際、1人ではなく0.75人として計算し、5時間未満の利用者は、0.5人と計算します。計算結果を別紙3-2に記入してください。
(例)4月のAさんのサービス提供時間が1日6時間、Bさんのサービス提供
時間が1日4時間の場合
⇒Aさん 0.75人×30日=22.5人
Bさん 0.5人×30日=15人
22.5人+15人=37.5人
Q18.共同生活援助における地域推進会議の設置について。
共同生活援助が1事業所で、法人自体も小規模なNPO法人であるため、利用者以外の構成員の選定及び会議の実施方法について悩んでいる。法人全ての事業を対象とした運営委員会には、利用者及びその家族、地域住民の代表者、共同生活援助について知見を有する者が出席するが、運営状況の報告、必要な要望や助言等を聴く機会の場としての可否について伺いたい。
A18.運営委員会の委員を地域連携推進会議の委員とした場合、基準上、指定共同生活援助の提供にあたっては、利用者及びその家族、地域の住民の代表者、共同生活援助について知見を有するもの並びに市町村の担当者等により構成される協議会を開催し、概ね1年に1回以上、地域連携推進会議において、事業の運営に係る状況を報告するとともに、必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならないとされていることから、運営状況の報告、必要な要望や助言等を聴く機会を設けることは可である。
(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年厚生労働省令第百七十一号) 第210条7)